今回の図案の問題になっている村。
どんなところか、紹介してゆきます。

トゥクステペック地方の
ハラパ・デ・ディアス村の周辺にある、
ほんとうに小さなコミュニティです。

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オアハカ市内からバスで7時間で、トゥクステペックに到着します。
さらに、トゥクステペックより、バスで3時間かかる村です。

オアハカからトゥクステペックまでは、2等バスで、片道210~230ペソ
1等バスで、片道410ペソ。

トゥクステペックから彼らの村まで、片道 約70ペソ。

往復となると、交通費も馬鹿になりません。

バスの乗り継ぎが良くないので、オアハカに朝の7時前後に到着するには。
前日の夕方4時に彼女は、家をでて、トゥクステペックを経由します。

オアハカまで約15時間をついやして来ます。

弊社の事務所で、通常 朝8時半の待ち合わせで
商談や発注、納品をします。


その後、オアハカ市内の取引先を回り、
夜10時のバスで自分の村へ帰るのです。

村の中には住居が点在しているだけで。

小さな商店も、販売しているのは、
旬の果物や、ジャガイモ、玉ねぎ、トマト、豆類など、
本当に必要最低限のものしか手に入らないような場所です。

鶏などは庭で飼育し、各家庭で〆て料理しています。

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この日、ご馳走になった、カルド・デ・ポジョ。
もちろん、庭で飼っていたものを料理してくれました。

この地方は、小さいな村が点在し、昔からその村特有のデザインが
決まっていて、着ている民族衣装で、
どこの村の人かわかるようになっています。

全面総刺繍のものでも、刺繍のデザインに違いがあり
どの村のものか特定できるんです。

村の人は、自分の村以外の刺繍デザインの
民族衣装を身につけることはありません。

なので、作った刺繍ブラウスは、村周辺での販売が難しく、
オアハカなどの観光客の多い街で販売することが
メインになり、それで収入を得るようになってきています。

それ以外では、パイナップルや農業、家畜も営んでいます。

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生産者も弊社も、アパレル業界とは無縁です。

その手の業界で使われてる言葉の数々もまったく理解できません。

今回の騒動で、よく耳にした、
オマージュ や インスパイア なんですか?それ???

そのような言葉を振りかざして、やっていることを正当化するのであれば、

自分たち業界の作り出した、狭い世界の中だけで、
誰かが作ったものを同じ業界の他の誰かが
オーマジやインスパイアで利用していればいいのではないでしょうか?


オアハカの生産者で、そんな言葉を振りかざして

物を作っている人はいません。


ネットで検索して、各地域のデザインを自分の図案に
取り入れていれている生産者にも、まだ、お会いしたことはないです。

ただ、純粋に自分たちが代々引き継いできた、仕事を
収入を得るために、そのまま作り続けているんです。

広い世界のたくさんの先住民族が
先進国の人間ほど海外をとびまれるような環境ではなく。

ネットなどを駆使し、手に入れた情報を活用し
小手先だけで、ちょっと違うものにして、販売することを
していない人たちです。

現地の立場に立てば、彼らの持っている物を利用するだけ、とか。
汚すようなことをするのは、許せないと感るばかりです。

悔しいことに、彼らは自分たちの図案をコピーされないような
法的手段は何も持ち合わせていません。

法的に守られていないから
それらを勝手に使っていいということですか?

自分の大切にしているものを盗まれたことのない人には
わからない事だと思います。

過去には、オアハカの刺繍デザインだけでなく、
アメリカ人がオアハカでサンプルを作らせ、それを
中国で大量生産させたアレブリヘスの 実例 もあります。


なんとも頭の痛い問題だと思います。