フランスのデザイナー イザベル・マラン(日本語公式サイト )が、
メキシコ、オアハカ州の先住民ミヘの村である
サンタ・マリア・トラウィトルテペックの民族衣装の刺しゅうを盗作し、
2015年春夏の新作として発表している件が、昨日からSNSで騒がれています。
どのような村かは、こちらで紹介しています。
2007年に村の工房を訪問した ブログ記事は こちら 。
2014年に村を紹介している ブログ記事は こちら。
今回の盗作問題を訴える地元サイト、xuumyの記事
スペイン語は こちら。
英語は こちら。
メキシコの新聞社 MILENIO は こちら。
この、トラウィ村(略称)の刺しゅうは、
今年1月にアメリカの有名&高級デパートでも盗作販売されました。
そのときには、オアハカ出身の歌手 Susana Harp のTwitterでも
この盗作に抗議し、メキシコをふくむ、多くの人々が
問題について考える機会を得ました。
当時のスサーナ・ハープの公式Twitter
つぶやき。
去年、弊社でもオアハカ州の伝統図案の盗作、コピーの件で
日本のアパレル会社とやり取りしましたが、
本当に、悔しいのは現時点で、著作権や彼らの持っている
民族衣装の図案を守る法律も、機関もない状況です。
しかし、法律や機関がなくても見ている人はみているし、
わかっている人はわかっているんです。
年々このような盗作に関して、メキシコ人、アメリカ人、日本人も
多くの人が抗議する流れになっていると感じます。
先にも書いたアメリカの有名デパートNeiman Marcusに対して
Susana HarpがTwitter上で抗議した発言も、
たくさんの人にシェアされていました。
今回の盗作に関してもSusana HarpのTwitterで騒がれています。
デザイナーブランドに対しては、ついに!
メキシコの新聞社MILENIOが
直接、ブランド会社に対してコンタクトをとり質問を投げかけてるそうです。
どのような回答がくるのか、見守りたいと思います。
スサーナ・ハープは、
「多くの企業が村の伝統的図案を無断で使用、盗作し、
その商品は高額で販売されていること」
「盗作行為が法律に触れないため、罪を追求されることがないこと」に、
怒りをおぼえているようです。
今回のイザベル・マランの商品に対しても、それは同様です。
該当商品は、現地の村で生産されオアハカ市内で販売されている
刺繍ブラウスの価格が、アリポ(オアハカ州が経営している民芸品ショップ)と
オアハカ州のテキスタイル博物館のショップで600~680ペソなのに対し、
4500ペソ近くもの値段で販売されています。
今年1月にSusana HarpのTwitterで
トラウィ村の盗作が追及されたとき、テキスタイル博物館の
相談役、キュレーターのアレハンドロ・デ・アビラ氏に、
オアハカ州の民族衣装の盗作について、
日本で起ったことを含めてメールをさせていただきました。
その時の彼の回答は、その件に関して、
メキシコの政府機関CONABIOを含めて、
同じような問題に対しての対応を検討しているという
返答をいただきました。
そこで、昨年、弊社がかかわった事例を
スペイン語に訳して資料としてまとめています。
時間がかかっておりますが、出来上がり次第、
民芸品の仕事に関係する方々、各機関に提出する予定です。
先住民族の図案は彼らのものであり、
彼らと一緒に仕事をしている、メキシコ・オアハカの民芸品に関わる人々は
それにより、生活の糧を得ているのですし、
これは、もう先住民族だけの問題ではなくなっていると思います。
メキシコの民芸品に関わる人たちみんなの問題ではないか、と思います。
今回の騒動を知り、盗作に対する怒りと、
年々、メキシコの民族衣装の盗作に関しては
現地でも関心が高まり、近々なにかしら対応策が
導入されるのではないかという期待も高まっています。
日本で繊維に関わるものとして、FBでシェアさせていただきました。